中年の新人

倉庫へ戻るとサウナのようなじっとりとした空気が充満し、そのまま私の肌身に纏わりついてくるようでした。長年この仕事に携わっていて、真夏の倉庫と真冬の冷凍庫だけは本当に過酷だと思います。「お疲れ様です」「お、帰ってきたか」声を掛けてきたのは白髪の永田さんでした。永田さんは60歳にして私とほぼ同期入社の契約社員でした。

「Nさん、こちら新人の今井さんです」派遣社員の三沢が紹介すると、今井という男は「どうも」とひと言だけ告げると軽い会釈を寄越してきました。私も今井と同じように軽い会釈をしました。まだまだ残暑が厳しいというのにみすぼらしい私服姿のこの男はどうやら三沢と同様、派遣社員という立場のようでした。上に羽織っている作業用のベストのポケットからはカッターナイフやボールペン、メジャーなどの工具類が見え隠れし、事務の橋崎の言っていたように「昔気質」という言葉がぴったり当てはまるような雰囲気の男でした。三沢の話を聞いた限りでは、今井はかなりの変わり者らしかったですが、私の見る限りではその仕事ぶりは頗る真面目でした。その後、今井は永田さんや三沢から場当たり的な指示を受けながらも終始黙々と作業に精を出していました。合宿免許 空き